先物取引の基礎知識


先物取引ってなんだろう?

先物取引とは金融派生商品(デリバティブ)の一種で、「ある商品」を「将来の特定日」に「現時点で取り決めた価格」で取引することを契約するものです。

もともと先物取引は、ある商品の「未来の価格」を現時点で決めておくことで、将来の価格変動に振り回されるのを避けることができるため、リスクヘッジの目的で始まりました。

しかしながら、将来の価格変動を予測することで---例えば将来価格が上がりそうな時に、先物取引を利用して現時点の価格で買う「約束」をしておき、将来価格が上がった時に「約束どおり」安く買って、その時の市場価格で売る---このようにして利益を得ることが可能なため、投資(≒投機)を目的として利用されることも多いです。

先物取引と差金決済

先物取引では差金決済が行われるのが一般的です。

差金決済とは、約束した時点での価格と、将来その約束を果たした時点での価格との「差額」を実際にやり取りするものです。

この差金決済があることにより、実際に取引する分の資産を用意しなくてもいいため、株式の取引などと比較して小規模の資金で投資を始めることが可能です。

例えば株式の売買では、まず株式を購入する分の資金を用意し、実際に購入したものを売却し、その差額が利益となりますから、株価が200円なら購入時に1単位分(1000株)の資金として200円×1000株=200,000円が必要。それで株式を購入し、株価205円の時に売却して205,000円が戻ってきて差し引き5,000円が利益となります。(手数料などはここでは考慮しない)

ところが差金決済であれば最初の時点ではお金のやり取りはなく、実際に取引が終了した時点で、「結果として発生した差額」だけをやり取りするので、上の例でいうと差額分の5,000円だけがやり取りされることになります。(上の例では利益が発生してるので口座に払い込まれます)

証拠金取引制度とは

先物取引では差金決済が一般的であることは先に述べましたが、この差金決済を成り立たせる上で重要となってくるのが証拠金取引制度です。

証拠金というのはいわば「保険金」とか「担保」のようなもので、取引に参加する上で「ちゃんと決済することが出来ますよ」という証になるものです。

先物取引では、約束した時点でお金のやり取りが発生しないため、結果として損した場合に「やっぱりあの時の約束はなかった事に・・・」っていうことが起こらないようにしなければいけません。ですから、取引に参加する時点で保険・担保として一定額の証拠金を預ける必要があるわけです。

証拠金の額については取引を行う会社によって差があり、また取引する商品によっても違いがありますが、日経225ミニの証拠金については50,000円(/1枚)前後が一般的でしょう。(2009年12月時点)

先物取引の期限

先物取引は「ある商品を将来の特定日に現時点で取り決めた価格で取引する契約」ですが、「将来の特定日」とあるように、契約には期限(満期)が存在します。(限月取引:げんげつとりひき)

満期日を含む月のことを限月(げんげつ)といい、その銘柄は月限(がつぎり)と表現します。例えば日経225先物において6月を限月とした銘柄は6月限(ろくがつぎり)という表現になる。

通常の株式の売買では、その株式を持ち続けるか売却するかは本人次第ですが、先物取引においては、ずっと持ち続けたくても期限がきたらその取引は一旦終了せざるを得ません。よって、先物取引では満期日までに反対売買(転売または買戻し)によって決済するか、満期日まで保持して最終決済します。

満期日までに決済を行わなかった場合、SQ値と呼ばれる特殊な指数を使って最終決済が行われます。

先物取引のメリット

先物取引は証拠金取引による差金決済が可能であることから、実際に用意する現金と比較して大きな取引が可能となっています(このことをレバレッジ効果という)。

小額の資金(証拠金)でもレバレッジを効かすことにより、大きな利益を得ることができるので、資金効率が非常に良い投資対象となっているわけです。

また、「買い」だけでなく「売り」から取引を始めることもできるため、投資対象の価格が下落傾向にある場合でも取引が可能となっています。

先物取引のデメリット

先物取引に限らず、レバレッジ効果のある投資というのは、市場価格が予想とは逆に変動するとマイナス方向にレバレッジが効くことにより予想以上に損してしまうリスクがあります。

先物取引では、最終的に取引が終了するまでの間に値洗いが行われ、日々どれだけの損益が発生しているかが分かるようになっていますが、仮に損失が発生している場合、その取引を維持するのに必要な証拠金(最低維持証拠金)の額を割り込んでしまうことがあります。

この場合に納入を求められるのが追加証拠金、いわゆる追証というもので、「先物=追証=怖い」というイメージを形成する理由の一つになっています。ただし、注文の仕方を工夫するなどのリスク管理をきちんと行うことで、このような事態に陥ることはある程度防ぐことが可能です。

どんなリスクがあるのかを知り、それに対処することが投資の大前提であるということは忘れないようにしましょう。


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